講師 |
佐藤貴彦 氏 慶應義塾大学 量子コンピューティングセンター 特任助教
【講師経歴】
学士 慶應義塾大学SFC 環境情報学部,2010.3
修士 東京大学大学院 情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻,2012.3
博士 東京大学大学院 情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻,2016.6
研究員 慶應義塾大学SFC,2015.6−2016.4
特任助教 慶應義塾大学SFC,2016.5−現在
特任助教 慶應義塾大学 量子コンピューティングセンター,2018.3−現在
【研究歴】
2007年より量子コンピュータ・量子ネットワークの研究に従事
【専門】
現在~近い将来に実装可能な量子アルゴリズム設計,量子インターネットのプロトコル設計およびセキュリティ問題,NISQ 用量子コンパイラ設計など
【所属学会】
WIDE プロジェクト,日本物理学会
【著書】
量子コンピュータ/イジング型コンピュータ研究開発最前線(共著,2019)・Understanding Quantum Computers(MOOC,定期配信中)など
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セミナーの
趣旨 |
2020年現在、ゲート型量子コンピュータやアニーラのクラウド型サービスが複数展開されており、量子コンピュータ界隈は活況を呈しています。メディアには”スパコンの1億倍速い計算能力”や”絶対安全な量子暗号”といった言葉も散見されますが、どこまで本当なのでしょうか?
本セミナーでは量子コンピュータを専門としていない方に最前線の状況を知っていただくため、質疑応答を含む対話型の講座を予定しています。まずは量子コンピュータ上で運用される量子アルゴリズムについて、“基礎の基礎”から一緒に学びます。次に、未来の大規模量子コンピュータの理想像とともに、量子コンピュータの現状と二十年先までの展望について、出来るだけ丁寧にお話します。最後に、中国やEU などで建設が進む量子インターネットとは何か?何故必要なのか?日本の現状は?といった最先端の話題について解説します。
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セミナー
対象者 |
量子コンピュータの現状と将来に興味があり、量子コンピュータを専門としていない方々
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セミナーで
得られる
知識 |
現在の量子コンピュータの能力と量子アプリケーション
2020年代、2030年代の量子コンピュータの設計と展望
量子インターネット構築の意義と現状、将来の展望
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プログラム |
※ 適宜休憩が入ります。
1 量子コンピュータ基礎の基礎
(1)量子ビットと量子ゲート
a) 古典ビットと量子ビット
b) 量子もつれと重ね合わせ状態
(2)量子回路の作り方
a) 複数の量子ビットで出来ること
b) 測定を加えた簡単な量子計算モデルを考える
2 量子コンピュータの能力と現状
(1) 量子計算はなぜ速い?
a) 代表的な量子アルゴリズムについて
b) 量子コンピュータは本当に1億倍速いの?
(2)量子コンピュータの理想と現状
a) 最近話題のNISQ デバイス、量子体積(QV) とは何ですか?
b) 量子超越性が達成されたと聞きましたが・・
c) 量子コンパイラなど最近の量子アプリケーション
d) 耐故障万能量子コンピュータの作り方
e) 2020 年代の量子コンピュータと注目するべきニュース
f) 2030 年代の量子コンピュータとその後の展望
3 量子インターネット最前線
(1)量子インターネットとは何か?
a) なぜ量子情報を転送する必要があるのか
(2)量子インターネットの作り方
a) 量子中継器ネットワーク
b) 量子中継器ネットワーク
(3)2020年代の量子インターネット
a) 世界の開発状況と日本の現状について
b) 量子インターネットが直面する課題と最先端の話題
4 今日のまとめ
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